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子供の純粋さと残酷さ。「マイ・フレンド・フォーエバー」感想

題名   マイ・フレンド・フォーエバー

原題   The Cure

製作国  アメリカ

製作年  1995

監督   ピーター・ホートン

(あらすじ)

母と二人暮らしの少年エリックは、隣に越してきた少年デクスターと徐々に打ち解け仲良くなっていく。デクスターはHIV感染者だが、エリックはきっと治療法が見つかるはずと二人で薬探しを始める。二人の少年の友情と、母の強さを描いた作品。

(ネタバレありの感想)

冒頭の場面がとてもいい。

少年映画において、テンションのあがる場面……そう、下校風景です

学校の扉が開いて、子供たちがわぁっと、飛び出してくる。可愛い制服も好みですが、私服もいい感じ。

エリックは、短パンがすごくよく似合います。顔つきはまさに、美形

個人的な好み、ではありませんが、美しいなぁ…と時々見惚れました。鼻筋が通っていて、唇が薄くて口の形が綺麗。

デクスターも普通の少年らしくて、とてもいいです。でも「普通」に見えるからこそ、エイズを患っていて自分は普通じゃ生きられないと悟っているところが切ない。

ストーリーは、ゆっくりテンポですが、時々はっとするくらい良い画があります。

夜に二人でイカダに乗って漕ぎ出すシーンは、無条件に良い。

少年たちの旅、なんて映画で繰り返し使用されるテーマであれど、良いものは良い。エリックは薬がきっとあると、気休めなんかではなく、本当に信じていた。

そんな子供ゆえの純粋さと、そして物事の善悪の区別のつかない残酷さ。

死のシーンは決して大げさでなく、BGMもありません。きっとデクスターは眠るように息を引き取ったのだと、心にずしりときます。

そしてその後の、少年二人の母親の場面が個人的に一番いいシーンでした。この映画はとにかく、デクスターの母親が本当に強くて優しくて、愛に溢れている。

映画全編通して、特別なセリフがあるわけではない。

二人の少年が、テントの中で会話する場面も、全然大げさじゃない。エリックが本当に、なんてことない表情でさらりとしゃべる。

ただ二人の少年と、見守る母親の姿を映しただけの映画。なのに、ラストで靴を片方だけ履いて歩くエリックのその姿だけで、泣けてきてしまう。エンドロールへの入り方も余韻があって、画がとても綺麗です。

でもやっぱり悲しい!!!!

個人的に「スタンド・バイ・ミー」がとても観たくなった…。


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